公共施設に使われているフォントとは?UDフォントって?
駅や空港などの公共施設や病院は誰もが利用しやすいようにユニバーサルデザイン(=Universal Design、UD)で設計されています。
ユニバーサルデザインは、バリアを取り除くだけではなく、障がいの有無に関わらず、誰もが使いやすく利用できる施設・製品・情報を設計(デザイン)することを言います。
文字の世界でもユニバーサルデザインで設計されたフォントがあります。
必要な情報を正確に、読みやすい文字で伝えることもデザインの重要な要素の一つです。
UDフォントとは
「ユニバーサルデザイン」のコンセプトに基づいたフォントです。
一般の人はもちろん、お年寄りや障がい者の方など、みんなが見やすいと思えるデザインです。
高速道路の標識などで公共機関でも視認性が良いものへとUDフォントへの変更が進められているみたいです。
最近では建て替えのタイミングなどで病院でも採用されています。
UDフォントの主な特徴
- 線:太さが均一
- 装飾:誤認につながりやすい要素の減少
- 文字の中の隙間:見やすいよう大きめ
- 濁点・半濁点など:大きくする
- 極端に文字にかぶらないようにする
- ひっくり返しても見分けられるよう、文字同士の形を変える
UDフォントは、これまで文字の読みにくさにつながってきた要素をなるべく減らすことで、より多くの人にとって読みやすくなるよう工夫されたフォントです。
視認性の違い
こちらは5年位前に新しく立て替えられた病院の駐車場の案内です。
「C」と書かれた案内の標識ですが、遠くからでも「O」や「し」など見間違えしにくいように「C」の右側は大きくスペースがあり、視認性が考慮されているフォントとなっています。
他のフォントとも比べてみましょう。
「MS Pゴシック」、「游ゴシック」とUDフォントの「A-OTF UD新ゴ Pro」「ヒラギノUD角ゴ Std」を見間違えしやすそうな文字を比較してみました。
「に」の左下のはらいの箇所、アルファベットの「I(アイ)」と「l(エル)」、アルファベットの「O(オー)」と数字の「0(ゼロ)」、6や8に見間違えやすい数字の「5」をまとめてみました。
UDフォントがいかに小さくなっても遠くから見ても、見やすいように工夫がされているのが分かります。
さきほどの病院のフロアマップです。
高齢の方や障がいの方に配慮されているこちらの病院のように、これからはUDフォントが採用される病院も多くなりそうです。
PIPELINEでは病院パンフレットの制作実績もあります。HPやパンフレット制作など、お気軽にお問い合わせ待ってます!
駅の標識で使われているフォントは?
UDフォントをまとめるときに気になって、電車の標識で使われているフォントも調べました。
PIPELINEは神戸北野の会社ですので、JR西日本の路線ですが、「A-OTF新ゴ」と「Helvetica」が使われていました。
いろいろ調べると、電車の路線ごとに「イワタUDゴシック」、「DIN」、「Serpentine」、「Engraved Roman」など採用フォントは様々でした。
見やすさを考慮されているため、UDフォントは似たようなデザインになるのがデメリットでもあるので、使われる場面は限定的かもしれないですね。大事なのは利用環境、媒体、ターゲットなどの条件を考慮したフォント選び!
続いて、フォント名の後ろに書いてある「Std」や「Pro」、「Pr6」や「Pr6N」の違いについてなんですが、、、あ、誰か来たみたい、、、