美術館のロゴって直線や正方形を使ったロゴが多くない?意図とかまとめてみた
美術館のロゴを見てたら、ロゴフォント(ロゴタイプ)に直線を組み合わせたデザインが多くないですか。
新しい美術館は特に。スタイリッシュさを前面に出してますね。
しかもシンボルマークに至っては正方形や長方形を組み合わせたロゴが多い、、、。
気になっていろんな美術館のロゴ集めてみたら、そういうロゴばっかりだったので、なぜ直線的なロゴばっかり採用されているのかまとめてみた。
直線が使われている美術館のロゴ
直線だけで構成されたロゴは、無機質で硬質な印象を与えがちですが、スタイリッシュで洗練されたイメージにもつながります。
工業的で冷たい印象に陥りやすいですが、使い方次第でおしゃれな雰囲気にもデザインされています。そんなロゴを採用している美術館をまとめました。
青森県立美術館
直線で作られたオリジナルフォントで作成されています。
サッカーのユニフォームの背番号や道路標識の「止まれ」から着想を得て、デザインされているそうです。
ロゴデザインはアートディレクターの菊地敦己さん。
HPも統一されたシンプルなデザインになっています。
https://www.aomori-museum.jp
太田市美術館
”ある特定のマークを持たない”というモチーフで、オリジナルのフォントを組んだものをマークとする事を目指してデザインされました。
ロゴタイプの組みデザインは、建物の形状をイメージし、一種のマークに仕上げられています。
ロゴデザインはグラフィックデザイナーの平野篤史さん。
https://www.artmuseumlibraryota.jp/
秋田県立美術館
美術館と街とをつなぐ大きな三角形吹抜けのエントランスホールが見どころの建物なので、三角形をモチーフにデザインされています。
シンプルだけどかっこいいデザインになっています。
https://www.akita-museum-of-art.jp/
大阪中之島美術館
黒くシンプルにデザインされたロゴシンボルはまさに建物の形を表しています。さらにNakanoshimaの頭文字の「N」をモチーフとしています。
ロゴタイプはシンボルマークに合わせて、直線的で横長なシンボルマークと響き合うように、細かく軽やかなラインを用いて平体(通常よりも横長の文字)に設計されています。
頭文字「N・M・A」を横に伸ばして、独自性を出しています。
ロゴデザインはグラフィックデザイナーの大西隆介さん。
https://nakka-art.jp/
岡山県立美術館
こちらも建物の形が独創的で、それに合わせてのシンボルマークになっています。ロゴタイプもシンプルに仕上げて統一感を持たせたデザインです。
https://okayama-kenbi.info/
神奈川県立現代美術館
神奈川県立現代美術館は3館体制(鎌倉館・鎌倉別館・葉山館)の構造になっていることから、それを示す3つの箱形と、神奈川/鎌倉のK、葉山のH、美術館のMが組み合わされたデザインになっています。ロゴタイプもオリジナルで作成されています。
ロゴデザインは矢萩喜從郎さんです。
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/
変わったタイプのロゴ
POLA美術館
ロゴタイプだけで構成されたロゴデザインです。
線と塗りのロゴタイプをセットにし、左右対称または上下反対に配置することで、近代と現代、自然と人工など、異なる様々な双方を提示し、私たちに問いを投げかける、ポーラ美術館のあり方を表しています
ロゴデザインは長嶋りかこさんです。
https://www.polamuseum.or.jp/
東京都現代美術館
上へと上昇していくイメージから、MOTのTの字が+(プラス)の形にデザインされています。
Tの字は、「東京」の頭文字でもあります。
位置を統一しないで、絶妙なバランスでデザインされて、独自性があり、かっこよく仕上がっています。
ロゴデザインはグラフィックデザイナーの仲條正義さんです。
https://www.mot-art-museum.jp/
まとめ
こうしてみてみるとシンプルに仕上げながら、面白いロゴが多いです。
展示する内容によって美術館の個性が影響されないように、あえてシンプルなデザインが多いのかなと思いのかな。だから建物がモチーフのデザインが多いのかも。
ロゴの大きな役割として大事なのが以下の3つ。
- 認知
- 統一感
- 信頼性
ロゴの役割を果たしながら、シンプルでいながら独自性やカッコよく仕上がっているので、デザイナーの凄さがわかります。
直線のみだと、力強さとどっしりとしたイメージになりがちですが、堅実で安定感を持たせてくれます。
ロゴマーク、ロゴタイプともに直線のみでも個性的で表現をしており、ロゴ全体の統一感とバランスが素敵でした。
公共性の高い施設だけに、わかりやすいモチーフを使用し、どれも誰にでも親しみやすいロゴになっていました。