アイデアを生み出す壱の型『拡大と縮小について』
こんにちは、PIPELINE株式会社のディレクター「にいる」です。
クリエイティブなアイデアを生み出すためには、多角的な視点が不可欠です。
その中でも「拡大」と「縮小」という二つの視点は、新しいアイデアの源泉として非常に有効です。この記事では、これらのテクニックを掘り下げていきます。
アイデアの拡大について
拡大とは、アイデアや問題を広い視野で考察する手法です。例えば以下のような視点があります。
- コンテキストの拡大
アイデアや問題をより広い文脈や背景の中で考えること。 - 関連性の拡大
関連する様々な分野やジャンルからのアイデアや情報を取り入れること。 - ステークホルダーの拡大
関与する人や組織を増やし、その影響を考慮する。 - 時間軸の拡大
過去や未来の視点からアイデアや問題を考える。 - 地理的拡大
異なる地域や文化の視点を取り入れる。
アイデアの縮小について
縮小とは、アイデアや問題に特定の焦点を当て、詳細や具体性を追求する手法です。例えば以下のような視点があります。
- 制約の設定
特定の条件や制約の中でアイデアを考えることで、方向性を明確にする。 - 最小実行可能製品（MVP）
アイデアを実現するための最も基本的な形を考える。 - シナリオ限定
特定の状況や背景を仮定し、その中でアイデアを考える。 - キーコンセプトの特定
アイデアや問題の中心となるコンセプトや要素に集中する。
シニア向け携帯の場合（アイデアの拡大・縮小例）
シニア向け携帯の例にアイデアの拡大・縮小を考えてみました。
拡大の考え方
- コンテキストの拡大
シニア向け携帯は、高齢者のコミュニケーション手段だけでなく、健康管理、緊急時の連絡、日常生活のサポートツールとしての役割も持つ。 - 関連性の拡大
シニア向け携帯は、医療、健康、安全、レジャー、エンターテイメントなど、多岐にわたる分野と関連がある。 - ステークホルダーの拡大
シニアだけでなく、家族、医療関係者、社会サービス提供者、携帯製造業者など、多くの関係者が影響を受ける。 - 時間軸の拡大
10年前、シニア向け携帯の機能は限られていたが、未来ではAIやIoTを活用した更に高度な機能が期待される。 - 地理的拡大
日本のシニアと比較して、欧米やアジアのシニアが求める携帯の機能やデザインはどのように異なるのか。
縮小の考え方
- 制約の設定
予算が限られている中で、最も必要な機能だけを備えたシニア向け携帯を考える。 - 最小実行可能製品（MVP）
大きなボタン、明確な表示、緊急通知ボタンを持ったシンプルなシニア向け携帯を設計する。 - シナリオ限定
災害時にシニアが安全を確保するための携帯の機能を考える。 - キーコンセプトの特定
シニア向け携帯のキーコンセプトは「安全」「使いやすさ」「健康管理」。
キッズ向け携帯の場合（アイデアの拡大・縮小例）
キッズ向け携帯の例にアイデアの拡大・縮小を考えてみました。
拡大の考え方
- コンテキストの拡大
キッズ向け携帯は、子供たちのコミュニケーション手段だけでなく、学習のサポート、親との連絡、安全保障としての役割も持つ。 - 関連性の拡大
キッズ向け携帯は、教育、子供の成長、親子のコミュニケーション、遊び、安全などの多岐にわたる分野と関連がある。 - ステークホルダーの拡大
子供たちだけでなく、親、教育者、アプリ開発者、携帯製造業者など、多くの関係者が影響を受ける。 - 時間軸の拡大
10年前、キッズ向け携帯の機能は基本的ものだけだったが、未来では教育テクノロジーやAIを活用した新しい機能が期待される。 - 地理的拡大
日本の子供たちと比較して、欧米やアジアの子供たちが求める携帯の機能やデザインはどのように異なるのか。
縮小の考え方
- 制約の設定
親の予算や子供の使用時間に制約がある中で、最も必要な機能だけを備えたキッズ向け携帯を考える。 - 最小実行可能製品（MVP）
シンプルな通話・メッセージ機能、緊急通知ボタン、親の許可なしに使えないアプリの制限などの基本的なキッズ向け携帯を設計する。 - シナリオ限定
学校の授業中や寝る前など、特定の状況で使用できないようにする機能を考える。 - キーコンセプトの特定
キッズ向け携帯のキーコンセプトは「安全」「教育サポート」「親子のコミュニケーション」。
最後に
これらの拡大・縮小のテクニックは、アイデアを多様化し、さまざまな角度からの考察を可能にします。アイデア出しの段階や目的に応じて、適切な方法を選択し、組み合わせることで、より質の高いアイデアを生み出すことができます。
